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千葉県在住の30代。色々と体を動かさないとムズムズしてくる性分です。主に30歳から始めた登山についてつらつらと書いていきます。

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4月 爺ヶ岳・鹿島槍ヶ岳日帰り登山 [爺ヶ岳東尾根→赤岩尾根] (2016.4.5)
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爺ヶ岳中央峰直下から望む鹿島槍ヶ岳


12月に敗退した爺ヶ岳東尾根。今シーズン中になんとか悔しさを晴らしたい!ということで冬型が落ち着く3月後半からずっと機会を伺っていたんですが、なかなか休みと天気がかみ合わず諦めかけていたところ、一日だけ登れそうな日が・・・!

ということでちょっと頑張って日帰りでチャレンジしてきました。

なんとか爺ヶ岳まで、行けそうなら鹿島槍ヶ岳までと考えていましたが、早朝の雪の状態が良かったので無事鹿島槍ヶ岳まで登頂。
かなり疲れたものの景色はとても素晴らしく、久々に冬毛のライチョウさんにも会えて大満足の山行になりました(^^)


ではいざ残雪の北アルプス、爺ヶ岳&鹿島槍ヶ岳へ!


【登山ルート】
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登りは爺ヶ岳東尾根、下りは赤岩尾根

==============================================================
■登山ルート&時間(休憩含む)
鹿島山荘(2:40)→JP(4:30)→爺ヶ岳中央峰(7:50-8:40)→冷池山荘(9:50)→鹿島槍ヶ岳(12:10-13:00)→赤岩尾根分岐(14:30)→高千穂平(15:40)→大谷原(18:05)→鹿島山荘(18:45)
■所要時間:16時間05分
■歩行時間:14時間25分
==============================================================

深夜の3時前から登り始めて歩くこと2時間半、空が明るくなってきました。
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太陽が顔を出し始めます。山の上から見るご来光は何度見ても良いものだ(^^)
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モルゲンロートの爺ヶ岳(北峰)と鹿島槍ヶ岳。
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振り返る東尾根。手前のピークがP3、その奥にはジャンクションピーク。
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ちなみに12月にほぼ同じ場所から見た景色。まだ木が埋まっておらず猛烈な藪こぎとラッセルに苦しめられた辛い思い出。。。
(12月はここまで来るのに10時間くらいかかったのに対して今回は3時間・・・!)
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P2へ向けて登っていきます。
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赤く染まる鹿島槍ヶ岳がとっても綺麗。
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P2から先はリッジが続きます。
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爺ヶ岳中央峰&北峰。
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P2からの道を振り返るとなかなかの高度感。
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ここが東尾根の核心部。雪庇も張り出しているので慎重に。。。
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振り返り。慎重に行けばそれ程難易度は高くはないという感じでしたが、雪の状態や付き方によっては危ないかもです。
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P1まで上がってきました。白沢天狗尾根との合流地点。
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目指す爺ヶ岳(中央峰)まではあと一息
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広い雪稜をてくてくと。純白の雪面がとっても綺麗
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爺ヶ岳へ到着!山頂へ上がると同時に立山連峰・剱岳の展望が広がります あと猛烈な西風も
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双耳峰が美しい鹿島槍ヶ岳。夏に来た時はガスで見えなかったこの景色を楽しみにしていたのでとっても嬉しい。
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立山に剱岳。
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剱岳と北方稜線。9月に歩いた北方稜線が綺麗に見えます。次は源次郎尾根や八ツ峰も登ってみたいぞ!
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南へと続く稜線。針ノ木、蓮華を始め北アルプス中南部の山々が一望
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オレンジの屋根がよく目立つ種池山荘。
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槍ヶ岳に穂高連峰、常念岳に表銀座もばっちりと。
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ふぅ、前回踏めなかった山頂にも来られて素晴らしい景色も堪能できたし大満足(^^)
風の当たらない東側斜面でまったりのんびりします

さて、時刻は8:40。雪が締まっていて歩きやすく時間的にも体力的にも余裕があるので鹿島槍ヶ岳を目指します。
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たっぷり付いた雪が美しい爺ヶ岳北峰。
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振り返る南側の稜線。
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爺ヶ岳北峰。
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冷乗越まで歩いてきました。下山道の赤岩尾根。
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赤岩尾根へはあの旗から雪の急斜面を降りることになりますね。。。
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冷池山荘はほぼ雪に埋もれちゃってます。
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鞍部から鹿島槍ヶ岳までの標高差は約500m、さてここからが今日の頑張りどころ!
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ちなみに東側にかなり大きな雪庇が張り出しているので注意しながら。

ホシガラスさんがちらほらと。
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息を切らしながら布引岳を越えて山頂まではもう少し・・・!
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そしてここで久々の素敵な出会い

歩く雪見大福こと冬毛のライチョウさん登場!
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ふぅ、まんまるで可愛すぎる・・・(*´ω`*)
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相変わらず近寄ってもまったく動じない大物っぷりでしたので近寄って撮影会 ふぅ、すごく可愛かった・・・


体力的にはだいぶ疲れてきましたがおかげさまで気力は回復!山頂目指して歩き始めます。

振り返る布引岳。
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最後の斜面を登って・・・
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鹿島槍ヶ岳(南峰)、登頂!
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雪に覆われた山頂。
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夏はこんな感じだったんで山頂の積雪は1mもない感じかな?
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山頂からは360度の大展望が広がります。

南側。爺ヶ岳から歩いて来た稜線の向こうには穂高連峰までよく見えます。
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登って来た爺ヶ岳東尾根(一番奥に見える尾根ね)、遠くには大町市街地。ちなみに一番手前の尾根が下山道の赤岩尾根ね。
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立山に薬師岳、水晶に野口五郎等々、北アの峰々が一望
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立山と剱岳。
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剱岳から毛勝へと続く北方稜線。
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北側には五竜岳に白馬岳。八峰や不帰を冬に越える日はいつか来るのだろうか・・・
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こちらは鹿島槍ヶ岳の北峰。遠くには頸城や戸隠、飯綱など北信越の山々も見えるよー
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今回はだいぶ頑張った!ということで山頂で記念撮影してみました
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この日の山頂は風が強いものの気温が高く、疲れ&眠さ+素晴らしい景色ということでずーっとのんびりしていたいところですが日が落ちる前に下山しなきゃなりませんのでお別れを告げて下山の途へ。

山頂直下の斜面を軽快に下る♪
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さきほどの雪見大福がまだ居てくれました というわけで再び撮影会
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下山道の赤岩尾根(3本の尾根の一番手前)。
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東側の雪庇にところどころ亀裂が入ってきているので注意しながら。
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冷乗越から振り返って鹿島槍ヶ岳にお別れ!
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鹿島槍ヶ岳北峰へ突き上げる東尾根。いつか登ってみたいルート。
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気温が上がって午前中にはなかったクラックがたくさん。下山中、大きな崩壊音と共に雪崩れるのを何度か見かけました。
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赤岩尾根を下ります。
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まずは急斜面を慎重に下降。個人的にはここが今回の山行で一番緊張する箇所だったかな。
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2,050m地点の高千穂平。幕営にぴったり。
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高千穂平から振り返る急峻な赤岩尾根。
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雪もだいぶ緩んできて雪崩がたくさん。
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高千穂平から下は緩んだ雪の急斜面で、ものすごく沈みまくって苦労しました。。。
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なんとか西俣出合までくだり、あとは平坦な道。
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膝くらいまで沈むんでスノーシューを装着!わざわざ担いで来たもののここまで全く使わなかったんで使う機会ができれちょっと嬉しい(^^;)
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最後は除雪された道を大谷原へ。
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大谷原からは車道を40分ほど歩いて鹿島山荘へと戻るのでした。


というわけで4月の爺ヶ岳&鹿島槍ヶ岳でした。

うーん、とっても疲れた!休みがなかったとは言えこのコースを日帰りで歩くのはだいぶハードだったかな・・・(^^;)
とは言え、頑張った分文句のない程素晴らしい景色やライチョウにも出会えたし・・・充実した山行だったぞ♪

やっぱり積雪期のアルプスは良いなぁと改めて実感したのでした。


ちなみに爺ヶ岳東尾根は傾斜も緩く危険箇所も少ない&今回は雪が締まっていたこともありとても歩きやすかったです。


前回踏めなかった山頂へも上がることができて今シーズンも心残りなく終えることができそう(^^)


では続いては主稜から白馬岳へと登ります(敗退しました・・・)
こちら



【関連記事】

【北アルプス】12月 冬期 爺ヶ岳東尾根 [ラッセル敗退!]

【北アルプス】【GW】残雪の唐松岳・五竜岳縦走

【北アルプス】快晴の大展望!11月 初冬の立山(雄山)登山

【北アルプス】4月 残雪期奥穂高岳(涸沢岳西尾根)

【北アルプス】4月 残雪期の西穂高岳へ

【中央アルプス】1月 冬期空木岳&南駒ヶ岳縦走 [千畳敷→池山尾根]

【南アルプス】1月 厳冬期の白峰三山縦走(2泊3日)

【八ヶ岳】3月 冬期南八ヶ岳縦走(権現→赤岳→阿弥陀→横岳→硫黄岳)-キレットを越えて-







鹿島槍ヶ岳・爺ヶ岳(冬) | 15:05:55 | トラックバック(0) | コメント(2)
12月 冬期 爺ヶ岳東尾根 [ラッセル敗退!] (2016.12.11-12)
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爺ヶ岳と鹿島槍ヶ岳。P2直下より。


今回は初の冬期後立山連峰(残雪期は経験有り)!爺ヶ岳東尾根から爺ヶ岳を目指しました。

爺ヶ岳の東尾根は積雪期の爺ヶ岳・鹿島槍ヶ岳で多く使われるルート。
比較的なだらかなで危険箇所も少ないことから年末年始や残雪期によく登られているそう。

他にもいくつか尾根はありますが、新雪期の後立山連峰は初めての挑戦になるので危険の少ない本ルートを選びました。


うん、結果は深雪のラッセルに歯が立たず敗退!12月ならまだ雪はなんとかなるかなと思っていましたが、全くそんなことはなくP2直下で急斜面を登れず撤退しました。
ということで今回は苦労話のような日記になります(^^;)

【追記】翌4月に爺ヶ岳→鹿島槍ヶ岳に無事登頂!(こちら

ではいざ、冬の爺ヶ岳へ!

【登山ルート】
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初日は鹿島山荘脇から登り始めP3で幕営(ビバーク)。2日目はP2直下で撤退。

==============================================================
■登山ルート&時間
【1日目】
鹿島山荘(8:00)→東尾根取り付き[1,450m](9:20)→ジャンクションピーク(12:15-12:45)→P3(15:30)
【2日目】
P3(7:10)→2,150m地点[撤退](9:30)→P3(10:30-11:40)→ジャンクションピーク(13:15)→鹿島山荘(15:50)
■所要時間:【1日目】7時間30分【2日目】8時間40分
■歩行時間:【1日目】7時間00分【2日目】7時間30分
==============================================================


【初日】[鹿島山荘~P3]

登山口の鹿島山荘に到着。
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道路沿いのスペースに駐車して出発!
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山荘の裏手にはおばばの碑と爺ヶ岳東尾根の看板があります。
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まずは早速の急登!落ち葉と薄い雪でとても滑るので早速アイゼンを装着。
狭い間隔で木にテープがくくられているのでそれに従って登っていきます。
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1,250mで支尾根に登ってからは進路を左に変えて緩くなった傾斜を200m程登るよー。
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1,450mくらいで東尾根と合流。ここからは進路を右に取りひたすら尾根上を歩きます。
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この辺りから雪が深くなってきてツボ足だとキツくなってきたのでわかんを装着!
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さて、尾根道ですが・・・傾斜は緩いもののとにかく木が茂っていてとっても歩きにくい!
加えて膝上まで沈むのでかなり難儀しました(^^;)

こんな感じの道がひたすら続きます。
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ちなみに枝に引っ掛かってとんでもないものを落としてしまうことに・・・(後述)

雪はこのくらい。新雪なので重くはないですが常に膝~太股まで沈む感じ。。。
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ようやくジャンクションピーク1,978mまで上がってきました。
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眼前のピークが本日の幕営地のP3峰。
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ここからがまた大変!相変わらず木が茂っていて歩きづらい上にさらに雪も深くなりまったく進みません。。。
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P3直下より。中央のピークがジャンクションピーク。
標高差は200m程ですが2時間半かかりました。。。
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P3には広いスペースがいくつかあるのでここで幕営しようと整地してテントを張ろうとしたところ・・・あれ、テントがない(^^;)

どうやらザックに外付けしていたところ木の枝に引っ掛かって落とした模様。
ジャンクションピークではまだあったのでそこからP3の間でやられたみたい。

やってしまいました・・・反省点は多々ありますが、それは後にしてビバークすることに。


さらさらの新雪で横穴を掘るのは難しそうなので、縦に雪を掘ってスノーフライを被って一夜を過ごしました。
残雪期の奥穂高でのビバーク経験のおかげで焦らずに対応できたのが唯一の救い。。。

寝床はこんな感じ。けっこうぐっすり寝られました。
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【2日目】[P3~P2直下~鹿島山荘]

2日目は爺ヶ岳を目指します。計画では時間がかかることも考慮して、山頂往復後P3でさらに一泊して下山の予定でしたが、夜から天気が若干荒れ模様とのことでテントなしでは危険と思いこの日に下山することを前提とした行動に変更します。(結局P2付近で敗退・・・)

夜明け前の爺ヶ岳。この日は高気圧に覆われて絶好のアタック日和。
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モルゲンロートの鹿島槍ヶ岳。
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爺ヶ岳中央峰と北峰。とても美しい・・・
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わかんを装着してまずは手前に見えるP2峰2,198mを目指します。
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前日と違い木が邪魔になることはなくなりましたが雪がとっても深い!
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振り返り。浅くて膝までちょっと深いと平気で腰まで沈むくらいの雪でした。
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緩い斜面を登る。動物の足跡を辿って。
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青空に新雪!と景色は素敵なんだけど気持ちはそれどころじゃない(^^;)
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奥に見えるのがP2。綺麗な雪面は踏むと腰くらいまで落ちます・・・
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なんとかP2直下まで来ました・・・が、ここからは急斜面。
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視界はこんな感じ(上ではなく正面を向いて撮影)。足を上げた分だけ沈むので常に顔の前に斜面が来るという(^^;)
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一歩下がって撮影。ひたすら雪を掻き分けてようやく一歩進むという感じ。
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そんな斜面を大体30分くらい粘ってみましたが、ほとんど高度を稼げずタイムリミットも近づいて来たのでここでギブアップ。
森林限界まで上がれば雪は少なくなってくることを期待していましたがそこまでたどり着くことすらできませんでした(^o^;)

中央の小ピークがP3。あそこから150m高度を上げるのに2時間半かかっちゃいました。。。
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撤退ということでのんびり景色を楽しむことにします。

南には白沢天狗尾根。P1で爺ヶ岳東尾根と合流します。
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爺ヶ岳と鹿島槍ヶ岳。
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爺ヶ岳中央峰と北峰。うーん、登ってみたかったけど・・・残念。
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鹿島槍ヶ岳。純白のその姿を稜線から眺めてみたかった!
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とは言えここからも展望は抜群。東には北信越や上信の山々が一望。
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右から浅間山四阿山。北には上信国境の山脈。左奥には平らな苗場山も見えました。
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眼下には大町市街地。遠くには八ヶ岳や南アルプスに富士山もしっかりと。
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P3に戻り荷物をまとめて景色を見ながらのんびりコーヒータイム。下山の途につきます。

まずは写真中央のジャンクションピークへ。
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相変わらず歩きづらい・・・
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ジャンクションピーク手前でテント発見!反省点はいっぱいですがとりあえず見つかって良かった・・・
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ピークの手前の広場。ここも幕営できそうですがちょっと風を受けそうかな。
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前日はガスっていてわかりませんでしたがここも絶好の展望台。爺ヶ岳や鹿島槍ヶ岳が一望。
ちなみに写真では切れてますが五竜岳も見えました。
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北信越の山々。戸隠に高妻、妙高火打に焼山、雨飾と有名なピークが一望。
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そこからは尾根上をひたすら歩く!前日に頑張ったおかげで沈むことはほとんどありませんでしたが木の枝にはとっても苦戦。
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鹿島山荘へと帰還ー。お疲れ様でした。
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下山後は一息ついてすぐ近くの大町温泉郷へ。のんびりと疲れを癒して帰京の途につくのでした。

というわけで爺ヶ岳敗退日記でした!

初めての冬期の後立山連峰でしたが、うん、とてもじゃないけど一人で太刀打ちできないレベルでした(^^;)
ひたすらのラッセルと木の枝に悩まされ続けて、何度"ちくしょー!!"と叫んだことか!肉体面でも精神面でも良い(?)修行になりました。。。


この時期に登頂を目指すのであれば、人が入ると思われる年末年始にトレースに淡い期待をするか人数をかけてラッセルを頑張るかのどちらかかな、と感じました。

ちなみにP2までは危険箇所は全くと言っていいほどありません。
他の方の記録によるとP2~P1間に細いリッジがあるそうですがそこまで到達できず。


よし、悔しいので今度は邪魔な木が埋まって雪も締まっているであろう3月か4月に再挑戦しよう!


では次回は南八ヶ岳の権現岳へ登ってきます。冬型の気圧配置で稜線上は暴風!なかなかタフな登山になりました(^^;)
(近日更新予定)



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爺ヶ岳(冬) | 20:38:34 | トラックバック(0) | コメント(0)
快晴の大展望!11月 初冬の立山(雄山)登山 (2016.11.26)
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雄山から見下ろす室堂と大日三山

高峰に雪がだいぶ付いてきたこの季節、いよいよ今シーズンの雪山デビュー!
ということで11月いっぱいで閉鎖されるアルペンルートを使って初冬の立山へ登ってきました。

昨年と同様に雪の少ない状態が続いていましたが、週中に多少の降雪があり雪もだいぶ積もってきている&天気も快晴の予報とのことで素敵な景色を期待しての遠征。


アルペンルートで到着した室堂では期待に十二分に応えてくれる素晴らしい景色が待っていました・・・!

ではいざ、初冬の立山の旅へ!

==============================================================
■登山ルート&時間(休憩含む)
室堂(10:20)→一ノ越(11:20-11:40)→雄山(12:35-13:30)→一ノ越(14:00-14:10)→室堂(14:45)
■所要時間:4時間25分
■歩行時間:3時間00分
==============================================================

扇沢始発(8:30)のトロリーバスに乗り込み室堂へと向かいます。
閉鎖前最後の週末&晴れ予報ということで沢山のスキー&ボード&登山客でいっぱい!
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うっすらと積雪したダムの上を歩く。
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ダム湖の向こうには真っ白な赤牛岳!
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赤沢岳や黒部湖を見ながらロープウェイで大観峰へ。
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そして室堂へ到着。雪の状態を案内センターで聞いて登山届けを記入。テント道具をコインロッカーに預けて軽荷物に。
※ちなみにこの時期の入山にはビーコンの携帯が必須になっています。室堂でのレンタルも可。

そして外へ出ると・・・


一面に広がる大展望・・・!!

思わず声を上げてしまいます!(というより奇声を発していた
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2ヶ月前に来た時とは全く別の景色が広がっていてびっくり!
一面の雪原の向こうには立山~別山へと連なる真っ白な稜線
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大迫力の立山。雪山はそれなりに登ってきて綺麗な景色もたくさん見てきたつもりですがこれはすごい・・・!
しかもキツイ思いをせずにこの景色が見られるとはなんて贅沢・・・
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雪原の上に室堂ターミナル。
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この時期限定のテント村ができています。大日三山もとても綺麗。
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あまりに景色が素敵すぎて完全に語彙力が低下 "パネェ~"とか"神~" 等とひたすらぼやき続け時間が経っていきます( ̄∇ ̄;)

だいぶ目が慣れてきた頃にハッ!と我に返りようやく山行を始めます!
まずは立山と浄土山の鞍部の一ノ越(写真中央)を目指します。
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緩やかな勾配の雪原を歩く。
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右手には浄土山。舞い上がる雪煙が気象の激しさを物語っています。
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雪もたっぷり付いてもっふもふ!
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浄土山の下の斜面をトラバース。
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余談ですがこの数日後にこの付近で雪崩による死亡事故が起きました。11月とは言え立山では例年雪崩が発生していますので、入山の際は降雪状況や雪の状態等の情報は入手しておく必要があると思います。
※僕は富山県の山岳遭対協のHP(こちら)や日本雪崩ネットワークのHP(こちら)等を見ていました。
室堂でも最新の情報を聞けるので入山の前に確認しておいた方が良いかと思います。


一ノ越へ向けて白銀の斜面を登る
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この辺りからは風が徐々に吹き付けてきます。雪煙が舞い上がる・・・!
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まずは無事に一ノ越へ到着!この辺りは雪が飛んでカチカチの路面。
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北アルプス南部の山が一望できます 槍や笠がくっきりと
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この先は急斜面&風で雪が飛ばされているのでアイゼンを装着。一息ついて雄山への登りへ取り付きます。
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岩と雪のミックス。雪のすぐ下に岩が隠れていたりするので気を遣いながら登っていきます
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一ノ越を見下ろす。見ての通り急斜面なのでなかなかの緊張感・・・!
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先行する緑のお兄さんは今回お誘いいただいたみんみんさん。冬の鳳凰山北岳・間ノ岳でテントを張った仲です!ブログも書いてるよ(こちら
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立ち止まって左手を見ると一面雪に埋もれた室堂!なんと言えばいいんだろう・・・綺麗すぎてちょっと言葉にならない(T_T)
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背後には浄土山に龍王岳。こちらも見事な雪化粧。
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急斜面をひたすら登る。。。
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山頂の神社が見えてきました!
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そしてこの辺りからはひたすら強風が吹き荒れます
強風で立ち止まっては少し登るの繰り返し。そんでもって雪が顔に当たりまくって痛い(T_T)
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岩と雪のミックスを登って・・・
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山頂に到着ー!
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暴風がお迎えしてくれました!\(^^)/
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ひたすら風が吹き続けてものすごーく寒い&痛い&歩けないということで神社の軒下に退避。
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でもせっかくなので頑張って山頂の祠まで・・・!
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山頂碑。
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耐風姿勢を取りつつ風が弱まった時に前進を繰り返して行くよー
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なんとか無事に到着!
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風の当たらない祠の脇に入ってようやくひと息 お待ちかねの山頂からの景色

北へ延びる立山の稜線。剱岳もバッチリ。
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別山の向こうに剱岳!いつか冬期に登る日はくるのだろうか・・・
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東には後立山連峰が一望。
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鹿島槍ヶ岳、五竜岳に唐松岳。鹿島槍ヶ岳は今冬にチャレンジしたいところ
遠くには高妻山や火打、妙高に焼山など北信越の峰々
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針ノ木&蓮華岳!こちらから見る針ノ木は鋭く尖った山容がかっこいい
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遠くにはうーっすらと富士山も(わかるかな?)南アや八ヶ岳もばっちり見えました(^^)v
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そしてなんと言っても圧巻だったのは室堂に大日岳。
雪に覆われた真っ白な室堂とその先にそびえる大日三山は言葉にならない程美しく、鮮明に記憶に焼きついたのでした。
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ちなみ向こうには富山湾や能登半島までくっきりと見えましたよー。

北アルプス中部~南部の峰々。槍ヶ岳や笠ヶ岳、薬師岳を始め数多くの名峰が揃い踏み 南は御嶽山まで見えました。
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さて、景色もたっぷり堪能したところで神社へと戻ります!・・・がご覧の通り風雪がすごくてここからもちょっと大変(^o^;)
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初冬の立山登頂記念!イエイ!
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うわっち!(>o<)
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雄山からの急斜面を下るみんみんさん。慎重に!
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とにかく風が強い!
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風を耐え凌ぐこと度々・・・みんみんさんはバラクラバ装備で防寒対策はバッチリですが、ネックウォーマーの僕は目元に雪がぺちぺち当たって地味に痛い・・・(;_;)
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一ノ越付近は岩と固まった雪のミックスなのでアイゼンワークを確実に。。。
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一ノ越から先は雪はふかふかで軽快なお散歩コース♪
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風はこの辺りもなかなか手強いよ!雪煙が舞うこと舞うこと(^^;)
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大日三山を正面に見ながらの雪原歩き♪
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テント村。当初はここに僕らもテントを張る予定でしたが、夜~翌日はかなり荒れる予報だったので日帰りに計画変更。
風がもろに当たる立地だけど張ってた人達は大丈夫だったのかな?
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空には不思議な雲がかかってきました。これは・・・荒れるで・・・!(適当)
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最終バスの30分前、余裕を持って室堂ターミナルへと帰還!
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最高の景色をありがとうー!!(^^)
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アルペンルートで扇沢へと戻った後は近くの大町温泉郷でぬくぬくと♪
そしてのんびりと帰京するのでした

というわけで初冬の立山でした。

うーん、一言で言うと・・・最高だった!!
今シーズンの雪山デビューにして早くも最高の景色が見られたんじゃないかと思うくらいの素晴らしい展望に大満足の山行でした


アルペンルートが開通している時期であれば体力的にも楽なので是非是非オススメ・・・
と言いたいところですが、一ノ越から先は岩と固い雪のミックスが一部あって若干危険があるのと、何よりこの時期でも雪崩がよく発生しているのでその点はリスクのある行程になります。

冒頭でも書きましたが入山の際は降雪状況や雪の状態を調べておくと良いと思います。


とは言っても晴れていればリスクを差し引いても余りある感動が得られることは間違いないかと・・・!

うーん、やっぱり冬山は当分止められそうにありません(^_^;)


では続いても雪のアルプスへ。南アルプス甲斐駒ヶ岳を目指して黒戸尾根を登ります!
こちら



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立山(冬) | 22:03:39 | トラックバック(0) | コメント(0)
10月 槍ヶ岳 北鎌尾根 -水俣乗越より- (2016.10.6-7)
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鋭角の槍ヶ岳。P15峰より。


戸隠西岳、裏妙義、剱岳北方稜線に続く秋の岩場歩き第四弾、槍ヶ岳の北鎌尾根に行ってきました。

北鎌尾根と言えば大学山岳部の同日登攀や厳冬の遭難事件等で名を知られる槍ヶ岳を代表するバリエーションルート。
岩稜歩きの経験を積んで是非登ってみたいと思い、剱岳北方稜線と併せて今シーズンの目標にしていました。

先日前者を無事に越えられたので、続けて北鎌尾根へと挑戦。


ルートは上高地から水俣乗越を経由し北鎌沢のコルから尾根に取り付くコース(上半)です。
(他には大天井岳近くの貧乏沢のコルを経由するルート、湯俣から渡渉を繰り返し尾根の末端から登るさらに難易度の高いルートもあります)


前回に続いて記事に入る前にちょっとこのコースの前提(注意)を書いておきますね(参考書籍よりほぼ抜粋)。

 ・北鎌尾根は一般ルートではなく、初級の登攀を目的としたバリエーションルートです。
 ・水俣乗越から先は、鎖、ハシゴ、避難小屋はありません(目印は北鎌沢出合~コル間はちょこっと有り)。
  基本的な登攀技術以外にもルートファインディング力、体力が必要になります。
 ・エスケープルートはありません。尾根に取り付けば登りきるか来た道を引き返すかです。

という感じのコースになります。

(注)念のため記載しますが、くれぐれも安易な入山は避けてくださいね!
(僕が参考にした書籍には"西穂高~奥穂高間の縦走路を余裕を持って歩けるだけの体力と岩登り技術があることが前提条件"と書かれていました。)


【登山ルート】
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上高地から水俣乗越を経由して北鎌尾根へ取り付きます。下山は新穂高へ。

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■登山ルート&時間
【1日目】
上高地(7:10)→横尾(8:55-9:10)→槍沢ロッジ(10:10-10:35)→水俣乗越(12:15-12:25)→北鎌沢出合(14:00)→北鎌沢のコル(16:00)→幕営地(16:25)
【2日目】
幕営地(6:05)→独標(7:25-7:40)→北鎌平(9:20)→槍ヶ岳(10:10-10:40)→槍ヶ岳山荘(10:50-11:30)→槍平(12:50-13:05)→新穂高ロープウェイ(15:30)
■所要時間:【1日目】9時間15分【2日目】9時間25分
■歩行時間:【1日目】8時間25分【2日目】7時間45分
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【1日目】[上高地-北鎌沢のコル(の少し上)]

今回は下山は新穂高側なので(槍平を通ってみたかったという理由)平湯温泉のあかんだな駐車場から上高地へ入ります。

始発のバスに乗って7:00に上高地へ。
台風一過で久々の晴れ間が迎えてくれます
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上高地~水俣乗越までは省略して・・・

水俣乗越まで登ってきました!
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ここの標高は2,500m弱、北鎌沢のコルとほぼ同じ標高です。ということはここから下った分さらに登り返し・・・!
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沢に向けて一気に下降します。急斜面&よく滑るのでかなり神経を遣う・・・ 数回尻餅をつきました
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北鎌尾根を望みます。迫力のあるピークが独標、右端のピークの左にある鞍部が取り付き点の北鎌沢のコル。
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下っていくと背後に槍ヶ岳が見える!
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下りきった後はしばらく涸れた河原歩き。途中で左後方から水量豊富な間ノ沢が合流してきます。
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間ノ沢合流後、その先の尾根(上写真)を越えればそこが北鎌沢ノ出合。左手に顕著な沢筋(下写真)が見えるのでそこを登って行くよー。
ちなみに晴れていれば写真のように北鎌沢のコルが見えるので迷うことはないと思います。
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出合にあるケルン。あまり目立たない上にここに来るまでに数箇所同じようなケルンが積まれていたので、これを頼りにするのはあまりお勧めできないかもです。
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そこからは沢をひたすら登っていきます。標高差600mの急登は一日の最後にはなかなかしんどい(^^;
他の方の記録では道を間違えやすいポイントがいくつかあるとのことでしたが、晴れていて目的地のコルがよく見えたおかげか特に判断に困るようなところはありませんでした。

出合から15分程登ると左俣、右俣の分岐。本流は左俣ですが道が顕著な右俣へ進みます。
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ひたすらの登りが続く!
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ちなみに右手の岩場にクライマーホイホイなんて言われる間違い道があるそうですが特に気付きませんでした。
コルでお会いした方の話では "あったけどあんな狭い所に普通は入っていかないよ" という感じだそうです。

最後は草付きを登り・・・
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北鎌沢のコルへ到着!テント2張分のスペースがあります。

そしてここで先行していた二人組と出会ったのですが、なんとお一人は富山山岳界の重鎮(ドン?)、多賀谷治さんでした!
剱岳-点ノ記-で山岳監督を務められていたり、NHKにっぽん百名山で剱岳のガイドをされた山の大先輩です。
(お会いした時は存知上げておらずお恥ずかしい限り・・・(>_<))

とても気さくでお話ししやすい方でした(^^) 写真についてもブログに掲載してよいかとお尋ねしたところ"いいよ!減るもんじゃないし!" との快い二つ返事。ありがとうございました(^^)
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さて、この日はコルに幕営しようと思っていたのですが、スペースがなさそうだったのでもう少し上に上がることに。
(多賀谷さんパーティはテントずらすよとおっしゃってくれたのですが、少し上がったところに適地があると聞いていたので、時間と体力と相談して上がることにしました。)

コルからは大天井~西岳の表銀座の稜線が一望できます
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踏み跡を辿って尾根を登っていきます。
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2,600m地点辺りでスペースを見つけて設営!前回の剱岳に続いて、今回も軽量化のためツェルトにしました。
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表銀座の稜線が一望できる素敵な場所(^^) 中腹には影槍ヶ岳も見える。
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中央に燕岳。その右のピークには小さく燕山荘も見えるよー。
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北を見ると野口五郎岳を始めとする裏銀座の稜線を左手、燕~唐沢岳を右手に。中央奥には後立山連峰
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北鎌尾根(下半)の岩峰(P7~P3)。P7の先が北鎌沢のコルです。いつか下半から登らねば!
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アーベンロートの大天井岳。
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【2日目】 [北鎌沢のコル(の少し上)-槍ヶ岳-新穂高ロープウェイ]

2日目はいよいよ岩稜が続く北鎌尾根の核心部へ!緊張感と期待感を胸に出発。

表銀座の稜線から朝陽が登り始める頃に幕営地を後にします。
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しばらくは岩場&草の踏み跡を辿り登っていきます。
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ひとしきり登るとP8の天狗の腰掛。この辺りにも幕営適地がちらほら。
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天狗の腰掛まで来ると、眼前に独標が大きくそびえます・・・!
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振り返ると山間の高瀬ダム湖の上に広がる雲海。
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ここからはいよいよ本格的な岩稜歩きが始まります。危険度も上がるので一層気を引き締めて・・・!
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アップダウンを繰り返して小ピークの上を越えていきます。
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P9付近から望む独標。顕著な巻き道ルートが見えます。
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ちなみに独標は直登ルートもあるようですが、巻いて行くのが一般的(低難易度)だそう。
特にピークにこだわりはありませんが登れそうなら独標へ、厳しそうなら巻き道へというスタンスで向かいます。
※結局写真の巻き道中央からルンゼを登っていきました。

独標の基部へ・・・ って、え、直登ルートとかある・・・?
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とりあえず巻き道へ進みます。危険箇所ということで巻き道に入ってすぐ出っ張った岩があるとのことですが、それほど気になるポイントではなかったです(一歩下がったところに足の置き場があるので体を反る必要がなかった)。
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どこか取り付けそうなところはないかと見ていたところ、巻き道の中央付近で登れそうなポイントを確認。取り付きます。
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下を振り返る。しっかりしたホールドはありましたが何度か垂直の壁がありかなりの緊張を強いられました・・・決してオススメはしないです。
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そして独標に上がると・・・槍ヶ岳がついにその姿を現します!
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展望も抜群

西鎌尾根から続く山並み。
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北は後立山連峰に、遠く北信越の峰々まで見渡せます。
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表銀座の稜線と常念岳。
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常念岳の向こうには一面の雲海と八ヶ岳。
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富士山に南アルプスの山々もしっかりと見えました
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独標の上で一息ついて、槍ヶ岳へと続く岩稜帯へと歩を進めます!

独標(P10)から中央右奥のP15までひたすら岩峰のアップダウンが続きます。
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ルートは基本は稜線(岩峰)の上、難しそうなところは少し下がってピーク直下を巻いて行くという感じです。
踏み跡はあるようなないようなという感じですが、基本は稜線上なので迷う心配はないかと。
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小ピークをいくつか越えて緊張感のある稜線上を歩いて行きます。
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振り返り。一番奥が独標でそこから岩の登下降を繰り返してきました。
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P14峰。巻いて行く踏み跡が見えますが直登も特に問題なさそうなので登っていきます。
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※なお、巻き道を通る場合はずるずると高度を下げないように注意。どこかで稜線上へと登る必要があります。

P14峰より。進むにつれて槍の穂先がどんどん鋭くなっていきます。
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P15峰の基部より。ここも巻くルートがありますが、写真中央下から左上へと稜線上へ登って行きます。
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P15峰へ上がると、眼前に槍の穂先が迫ります!
青空へ鋭角にそびえるそのシルエットはとても美しく荘厳・・・今回の山行で一番強く印象に残った景色でした。
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頑張ります・・・(^^;)
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P15峰から鞍部へ一旦降下。
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そこから岩をひと登りして・・・
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北鎌平に到着!北鎌尾根で一番安定した広場で幕営スペースもちらほら。
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そしてここからはいよいよ穂先へ向けて最後の登り!
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槍&小槍。小槍って意外とぶっといのね・・・
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ガラ場の急斜面をひたすら登っていきます。危険度はそれ程高くないですが浮石が多いので注意。
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カニのはさみ。
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小鳥(イワヒバリ?)が岩の上をぴょんぴょん跳ねて先導してくれました(^^)
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上部は左寄りに進路を取りながら登ります。
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左手には東鎌尾根の稜線上に建つヒュッテ大槍。
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独標から歩いて来た稜線振り返る。
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山頂直下は岩の登攀。
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眼下には殺生ヒュッテ。
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そしていよいよ最後の難所のチムニーへ!
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取り付く前にふと足元を見ると・・・・・・山頂標識!!?
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山頂から落ちて来たのかな?持ち上がった方がいいのかな?と思いつつも勝手な事は止めておこうということでスルー。
後で槍ヶ岳山荘の方に報告しておきました。

さて、いよいよチムニーへ取り付きます。
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こんな感じ。一見それほど難しくは見えないかもしれませんが、一部オーバーハングする箇所があり緊張するポイントでした。
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今回特に緊張したポイントは独標への登りとここの2箇所だったかな(独標は巻き道を使えば良いんだけどね)。


そして・・・いよいよ山頂に到着・・・!

祠の裏からぴょこっと顔を出します。
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ちなみに参考書籍には"山頂へ上がると驚嘆の声で迎えられる!" とあったので、わくわくしながら顔を出したんだけど人いなかった・・・(ToT)(正確にはフランス人のカップルはいた)


まあ何はともあれ・・・槍ヶ岳登頂!
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フランスの方が "Can I take a picture?" と声をかけてくれたのでせっかくだし記念に一枚
槍のポーズ!(^^)
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山頂では頑張ったご褒美とばかりに最高の景色が迎えてくれます

独標から続く北鎌尾根の岩稜。
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大喰岳、中岳、南岳から穂高連峰へと続く稜線。
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笠ヶ岳がとても綺麗 遠くにはうっすらと加賀の霊峰、白山も見えます。
両峰とも今夏に登りましたがとても素敵な山でした(^^)
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西鎌尾根から続く北アルプス中部の峰々に立山。こちらも2ヶ月前に一帯を縦走してきましたこちら
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東鎌尾根と表銀座の稜線。中央の端正なピークは常念岳。
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雲海の向こうには八ヶ岳に南・中央アルプス。富士山も見えます。
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南アルプス(中央奥)。その左には富士山もくっきりと。
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八ヶ岳連峰。右端の編笠山~左端の蓼科山までばっちり。
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浅間山(右奥)に四阿山、上信の山々。
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燕岳・唐沢岳の向こうに見えるのは北信越の峰々。
左から雨飾山、新潟焼山に火打山・妙高山。その右手前には高妻山と戸隠連峰!
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山頂からの大展望をお腹一杯堪能した後は眼下の槍ヶ岳山荘へ!
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テラスから望む景色もとても素敵でした。
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紺碧の空へ突き立つ槍の穂先!どっしりとした存在感が印象的なお馴染みの景色。
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小屋で昼食を摂った後は新穂高方面へと下山(上高地でも良いのですが、槍平に行ったことがなかったのでこっちに降りる計画にしました)。
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新穂高温泉が見える・・・遠いな!(苦笑)
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ふと信州側を見ると、殺生ヒュッテ&ヒュッテ大槍&ヒュッテ西岳&常念小屋が一列に並んでた!ということで思わず一枚
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草紅葉の斜面を一気に下っていきます。
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飛騨沢はすっかり秋色に染まります
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向かいも山腹には鏡平山荘。鏡池に映る槍ヶ岳は一度は見てみたい景色。
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槍平まで下ってきました!静かでとても良いところ。
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さて、ここからは新穂高までは蒲田川沿いをひたすら歩く緩やかだけど長い道のり・・・!省略します!


道中から見上げる滝谷の雄大な景観。クライマーの方々はあんなところへ挑戦するのかと驚いてしまいます・・・
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穂高平小屋まできました。残雪の奥穂高アタック(こちら)で雪の降る中ここに泊まったのが懐かしい・・・
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小屋の前はのどかな牧場
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新穂高ロープウェイまで無事帰還。お疲れ様でしたー。
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新穂高からはバスで平湯→あかんだな駐車場へと戻ります。

その後は平湯温泉"平湯の森"でまったりリフレッシュして帰路へ付くのでした。


というわけで槍ヶ岳北鎌尾根(上半)でした。

技術だけではなく体力に気持ちも試される素敵なルートでした。
稜線へ上がってからは終始緊張感のある岩稜帯が続きますが、その分山頂に上がった時は大きな達成感と充実感を味わうことができました(^^)


歩いた感想としては、尾根に上がってからはひたすら岩稜帯のアップダウンが続くので長時間岩の登下降を続けられる体力や集中力が必須だと感じました(技術的には三点支持が確実に、継続してできれば大丈夫)。

一歩踏み外すと軽い怪我では済まないような箇所が続くので、その点でも体力、集中力が重要だと思います。

ルートについてはひたすら稜線上を進む(一部巻き道も通ります)ので、"基本は稜線上、難しそうなら稜線直下を巻く(その後できるだけ早めに稜線に復帰)" という考え方で進めば迷うことはないかと思います。


ちなみに参考までに。
先日歩いた剱岳北方稜線と比べると岩の登攀は圧倒的にこちらの方が多いです。
一方で北方稜線の方がルートが複雑でルート選択ミスによるリスクは高いと思います。

一概には言えませんが個人的には総合的に考えると北鎌尾根の方が危険度は少し高いかな、と感じました。
(もちろん諸々の条件にも因りますが)



さてさて、これにて秋の岩場歩きは無事終了。
続いては紅葉を見に越後の山を歩いてきます。まずは越後駒ヶ岳・中ノ岳・荒沢岳の通称"裏越後三山"へ!
こちら



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槍ヶ岳-北鎌尾根- | 11:27:46 | トラックバック(0) | コメント(0)
9月 剱岳 北方稜線 & 紅葉の仙人池 (2016.9.26-27)
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仙人池に映る裏剱の鋭峰群


戸隠西岳、裏妙義に続く秋の岩場歩き第三弾は剱岳の北方稜線。

密かに今年の目標にしていた北アルプスの岩稜、剱岳北方稜線と槍ヶ岳北鎌尾根。
一般ルートに比べて難易度の高いバリエーションルートですが、これまで穂高の稜線や三大キレットを始め、妙義に鋸岳等々、いくつかの岩稜歩きをこなしてきて岩登りの基本技術、経験はある程度身に着けてきましたので、この度満を辞してこの2つのルートへと挑戦することにしました。


記事に入る前にちょっとこのコースの前提(注意)を書いておきますね(参考書籍よりほぼ抜粋)。

 ・本コースは一般ルートではなく、初級の登攀を目的としたバリエーションルートです
 ・全コースを通して、目印や鎖、ハシゴ、避難小屋はありません。
  基本的な登攀技術以外にもルートファインディング力、体力が必要になります
 ・エスケープルートはいずれも雪渓の下降(≠一般ルート)で、雪の状態で難易度が大きく変わります
  (つまり容易にはエスケープできないということです)

という感じのコースになります。


以前南アのバリエーションルート、甲斐駒ヶ岳~鋸岳の縦走の際に感じたのですが、踏まれた危険の少ないルートを選択していけば技術的に難しい登攀はほとんどありませんが、ひとたびルートを外すと難易度の高い危険な岩場がすぐに現れるので、ルート選択には細心の注意を払わないといけません。

上記を踏まえて、事前調査を入念に行ってルートのイメージを叩き込んだ上で挑戦してきました!


ということでちょっと前置きが長くなってしまいましたが本編へ!


■■登山ルート■■
初日は黒部ダム→池ノ平小屋でテント(ツェルト)泊。
2日目は剱岳へ登頂し、室堂まで下山します。

<全体>
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<北方稜線>
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■登山ルート&時間
【1日目】
黒部ダム(7:50)→内蔵助谷出合(8:40)→ハシゴ谷乗越(11:20)→仙人池ヒュッテ(14:45-15:20)→池ノ平小屋(15:50)
【2日目】
池ノ平小屋(5:20)→小窓(6:35)→三ノ窓(8:30-8:50)→池ノ谷乗越(9:45)→剱岳(11:00-12:00)→剣沢小屋(14:00-14:15)→室堂(16:15)
■所要時間:【1日目】8時間00分【2日目】10時間55分
■歩行時間:【1日目】7時間25分【2日目】9時間20分
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【1日目】[黒部ダム-池ノ平小屋]

1日目は黒部ダム~内蔵助平を経由して池ノ平小屋へ。
特に危険箇所もないので写真をパパッと貼っていきますー。

扇沢始発のトロリーバスに乗って黒部ダムへ。内蔵助谷出合まで川べりを歩いていきます。
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ハシゴ谷乗越まで登ると荒々しい剱岳が姿を現す!(かなり雨が強い・・・(ToT))
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真砂沢は橋が無くなっていて・・・
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200m程上流に丸太橋がかけられていました。橋の有無についてはあらかじめ現時に問い合わせておいた方が良いかもです。(橋がない場合は腰辺りの渡渉になりそうでした)
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仙人新道を上がって行くと迫力のある裏剱の岩峰群が現れます!
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鞍部は三ノ窓。その左の鋭い岩峰はチンネ&八ツ峰の頭!
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ちなみに三ノ窓下の雪はその形から「モンローの唇」とも呼ばれるようですよ。
ただ池ノ平小屋の主人が名づけたらしく、仙人池ヒュッテの方に聞くと"うちはその呼び方はしていない"とバッサリ・・・


翌日に登る小窓雪渓。日本に現存する数少ない氷河の一つなんですよ
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紅葉が綺麗な仙人池ヒュッテ。時間もあるしせっかくなので寄って行くことに。
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紅葉の仙人池に映る裏剱・・・!雑誌等でもよく紹介される裏剱の絶好の展望スポットと言われる通り、思わず見とれてしまうような光景でした。。。
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ちなみに翌日は今秋は全くと言っていいほどなかった貴重な晴れ予報!
ということでこの日の仙人池ヒュッテにはカメラを持った人がたくさんいたそうな(^^)

しばらく休んで本日の目的地、池ノ平小屋へ。紅葉に彩られた池ノ平山。
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すっかり秋の装いの剱岳。
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小屋が見えてきましたー。
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初日のお宿!今回は軽量化のためテントではなくツェルトにしました。
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ちなみにこの日は雨がけっこう降ってて結露が酷くて大変でした・・・雨の日にツェルトはなかなか厳しいね・・・( ̄o ̄;)


というわけでまずは初日でした。翌日に備えたウォーミングアップという感じで軽く考えていたんですが、ハシゴ谷乗越の登下降などなどなんだかんだで累積の登りが1,500m以上あってね・・・けっこうな歩き応えでした(^^;)

ちなみにハシゴ谷乗越からの下降は急斜面でスリップ注意ですが、その他危険箇所はほぼありませんでしたよー。



【2日目】[池ノ平小屋-剱岳-室堂]

さて、ここからがいよいよ本番!北方稜線を越えて剱岳へ登ります。
今回は写真の他に、ルートを区切って概要や危険箇所をちょこちょこ書いてみようと思います。


■池ノ平小屋-小窓■

小屋から旧鉱山道をトラバースして、その後は雪渓を小窓まで標高差200m程まっすぐ登っていきます。
特に危険という道ではありませんが、鉱山道は気を抜いての踏み外しに注意。
雪渓は早朝ということで(?)カチカチのつるつるだったので、軽アイゼンがあれば良いかと思います。


夜明けちょっと前に小屋を出発!小屋のすぐ先から旧鉱山道へと入ります。
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鉱山道をトラバースして行くと小窓雪渓。
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途中から雪渓に降り、そこからは標高差200mをひたすら登る!

ダイヤモンド鹿島槍ヶ岳!
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雪渓に朝陽が差しとても綺麗です。
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視界の先にある鞍部が小窓。カチカチの雪がとても滑るのでアイゼンを効かせて登ります。
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左手に紅葉した尾根道を見ながら。
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クレバスやシュルンドがところどころにあるので注意しながら・・・
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小窓に到着ー。北へ延びる北方稜線(広義)が見えます
ピークは赤谷山や毛勝三山かな?
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■小窓-三ノ窓■

小窓からは雪渓側を巻くようにして尾根沿いを登って行きます。稜線100m下(2,550m)くらいまで登った後は草地の踏み跡をトラバース。
小窓ノ王の岩壁の下まで来たらそこからはガレ場を登り小窓ノ王の肩へ。肩から発射台と呼ばれるバンドを下り三ノ窓へ!

ルートですが、小窓ノ王の基部までは基本的には草地にうっすら踏跡があるので注意深くそれを辿って行けば大丈夫かと思います(と言いつつ僕は道を間違えましたが・・・)。
トラバース中に雪渓を二度横切りますが、ここが縦走路で一番緊張する危険ポイントらしいので要注意!(今回は雪が融けていて問題なく通行できました)


小窓から稜線を見上げます。左奥に見える岩峰が小窓ノ王!
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小窓から尾根沿いを真っ直ぐ登って行きます(この時点でコース外してたみたい

振り返る池ノ平山。
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途中で踏み跡が全くなくなりハイマツの藪こぎが
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深い藪に苦戦しながらハイマツ帯を抜けると、踏み跡に合流!
どうやら尾根を真っ直ぐじゃなくて雪渓側を巻きながら登るのが正解だったみたい・・・(^^;)
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そこからは小窓ノ王に向けて草付をトラバース。
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こんな感じで明瞭な踏み跡がありますよー。
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またまた池ノ平山を振り返り♪
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トラバース道には縦走路の一番の緊張ポイントとも言われる雪渓のトラバースが待ち受け・・・

てはいませんでした。雪は完全に融けていて特に難なく通過。
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ちなみにこの一箇所目の雪渓は見たところ雪がついていても上部を高巻きすればそれ程危険なく通行できそうな感じでした。

小窓ノ王が近づいてきます。その威圧的な姿はまさに王の風格・・・!
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そして二箇所目の雪渓ポイント。ここも雪は完全に融けていて問題なく通過。
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なお、ここの雪渓は傾斜がキツく、高巻きもできないので雪が付いているとかなり危険なポイントになると思います。
安全に通行するのであれば前爪付きのアイゼンやピッケルを準備していた方が良いかと思います。
(今回は事前に雪が融けていると聞いていたので持参していません)

小窓ノ王の基部まで来ました!
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ガレ&ザレを登っていきますー。
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小窓ノ王の肩へ登ると展望が開けます。富山市や富山湾が一望
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そして眼前には北方稜線の写真でよく見かける光景。
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左上のピークがチンネと八ツ峰ノ頭、鞍部の池ノ谷乗越を挟んで右上には池ノ谷の頭。そして池ノ谷乗越から下に続くガレ&ザレ場がこれから登る池ノ谷ガリー!


通称「発射台」と呼ばれる小窓ノ王の脇のバンドを下ります。危険度はそれ程高くありませんが滑るとアウトなので慎重に。
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目の前に池ノ谷ガリー!標高差200mの急斜面のガレ場。
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バンドを下りきって少し登り返したところが三ノ窓。
開けた場所で展望も開けてホッと一息(久々に携帯の電波も復活!)鹿島槍ヶ岳や五竜岳、爺ヶ岳が見えます。
眼下にはこれまた氷河の一つ、三ノ窓雪渓。
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幕営適地もちょこちょこあります。水は・・・雪を融かしてかな?
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■三ノ窓-長次郎のコル■

池ノ谷ガリーを落石に注意しつつひたすら登り池ノ谷乗越へ。その後岩壁を登攀して池ノ谷の頭へ上がります。
頭へ上がるとそこからは稜線歩き。稜線上 or 直下(長次郎谷側)の岩稜を歩いて長次郎ノ頭の下まで進みます。
長次郎ノ頭については中腹を巻く or ピーク直下のテラスから下降して長次郎のコルへ(ここのルートは人によってまちまちみたいです)。

池ノ谷乗越からはいよいよ岩稜が続きます。ルートを外さない限り難易度の高い岩場はほぼないですが、足を踏み外すと怪我では済まない箇所が続くのでしっかりと集中が必要です。

ルートは長次郎ノ頭の下までは踏み跡がありますが、長次郎ノ頭付近はないです。
記録を色々と漁ってみましたが、人によって中腹を巻いたり上部まで登ったりとルートが分かれるので、ルートファインディング力が試される箇所だと感じました。


三ノ窓を後にして池ノ谷ガリーへ突入!
ひたすらガレ&ザレを登るんですが、沈んで滑るわ浮石が多いわとなかなか大変。
6月に登った南ア鋸岳の中ノ川乗越を彷彿とさせる感じ。
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ちなみに向かって左手の岩峰付近は比較的歩きやすい感じです。

振り返ると小窓ノ王!基部から左上に延びるバンドがルートの「発射台」。
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ガリーを頑張って登り切った後は池ノ谷の頭へ向けての登攀!
ここまでけっこう登って来たけど、手を使って登るのは実はここが初めてなんだよね(^^;)
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写真中央をガシガシ登っていきます。もちろん鎖やロープ等はありませんが、岩は硬くホールドも十分にあるので特に難しくは感じませんでした。

振り返ると眼前に八ツ峰の頭&チンネの岩峰!
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そして池ノ谷の頭へ登ると・・・ようやく剱岳の本峰が姿を現します・・・!
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八ツ峰の頭&チンネと後立山連峰。
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ここからはようやくお楽しみの岩稜歩き!

小ピークの上を越えていきます。
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ピークを越えるのが難しそうな箇所は長次郎谷側を巻いていきます。
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可能であれば稜線上、難しそうならそのすぐ下を進む、というイメージでルートを取れば間違いないと思います。
くれぐれも巻きすぎて下りすぎないように注意!

ところどころ緊張するポイントも有り。
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振り返って一枚 稜線直下をトラバースしてきました。
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眼下には八ツ峰と長次郎谷右俣。
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長次郎ノ頭と剱岳本峰が近付いてきました。
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長次郎ノ頭の下部まで来ると踏み跡はなくなります。さて、どう進むか・・・
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他の方の記録を見たところルートは大きく3つ(他にもあるかもしれません)

①長次郎ノ頭から下降(懸垂下降)
②長次郎ノ頭の少し下からの下降(テラスからロープがかかっている)
③長次郎ノ頭の中腹をトラバース

①はロープが必要なので除外して、②か③を念頭に進みます。

高度を上げながら巻いて行くと残置ロープを発見。どうやらこのルンゼを下るルートがある・・・のかな?
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ルンゼを少し下り様子を見てみるとどうやら岩壁を巻いて行けば、長次郎のコルに出そう。
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というわけでさらに下り岩を巻くと・・・コルが目の前に!
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と思ったんですが、そこからは10m程の垂直の壁。。。これは降りられん。。。
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周囲の地形を確認した結果、そこから少し登ったポイントから無事に下降できました。

コルから下降点を振り返る。最初に降りようとした壁が写真右下。そこから左上に登って無事に下降してきました。
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眼下には長次郎雪渓左俣。余談ですがこの前日に放送されたイッテQで、イモトがアイガー登山の訓練にこの雪渓を登っていましたね!
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ここまでくれば危険地帯はほぼ終了。後は山頂までひたすら登るだけ!
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とは言っても岩場なので気は抜かないでね。

振り返る長次郎ノ頭。
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コルへ下ったルートはこんな感じ。ルンゼの下降はありますが、特に難しい箇所ではなく割りとすんなり降りられました。
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またまた八ツ峰。恐竜の背中の様で何度見ても飽きないカッコよさ・・・!
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山頂は目と鼻の先!
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早月尾根と早月小屋。実はまだ歩いたことがなかったり。。。
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そして山頂に到着ー!
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緊張感の続く稜線を無事に越えられてようやく肩の力を抜ける瞬間。
山頂ではご褒美に素晴らしい景色がお迎えしてくれました

立山方面。剣沢の紅葉がとても綺麗。
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富山市と富山湾。遠くは能登半島まで見渡せます。
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北には赤谷山~毛勝三山~僧ヶ岳まで遠く延びる北方稜線。今回の池ノ平からのコースは狭義の北方稜線なのです。
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八ツ峰の向こうには後立山連峰がずらっと並びます。
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ブログやヤマレコでよく見かける看板。ふらっと入らないようにね。
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北方稜線を越えて・・・剱岳登ったよー!\(^^)/
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さてさて、ここまでずっと張り詰めていた気持ちを弛緩させて山頂でまったりとしたひと時・・・
そして下山に向けて再びスイッチを入れ直します!

というのも下山は一般ルート(別山尾根)とは言え、とても気を抜けるような道じゃないのよね(^^;)
(実際、この日の別山尾根で滑落死亡事故が起こっていました・・・)
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下山時の写真はちょっとだけ(別山尾根ルートの詳細については過去記事(こちら)を見てね)。

カニのよこばい!
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平蔵ノ頭を越える。
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振り返る剱岳本峰。
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下山↑・・・!!?
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前剱からの下りでは素敵な紅葉が眼前に広がります
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剣沢小屋でひと休みして室堂へ向かいます。
ここで扇沢行きの最終便の時間を30分勘違いしていた事に気付いて大慌て

別山乗越付近にて。剱岳にお別れを。
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ちなみに同じ場所から撮影した初夏の剱岳。うーん、どちらも甲乙付け難い・・・!
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赤く燃える雷鳥坂を下る。
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立山の紅葉も最盛期を迎えていて見事・・・
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雷鳥平キャンプ場より。
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早足で室堂へ帰還!最終便の15分前・・・ぎりぎりでした
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扇沢へ戻った後は大町温泉郷でまったりリフレッシュ
長い道のりをバイクで帰京するのでした。

というわけで剱岳北方稜線でした。

歩いた感想ですが、ルートを上手く選べば岩の登攀技術は基本的なもので十分だと感じたので、どちらかと言うとルートファインディングの技術の方が重要と感じました。
また、一歩踏み外すと軽い怪我では済まないような箇所が続くので、長時間歩ける体力、集中力が重要だと思います。

敢えて言及することでもないですが、気持ちの面でも安全面でも経験者に先導してもらうのが良いかと思います(^^;)
あ、あとガスに包まれてルートを見失うとかなり危ないのでできるだけ天気の良い日にアタックしてくださいね!


さて、これで今シーズンの目標を一つ達成!
続いてはもう一つの目標、槍ヶ岳北鎌尾根へと挑戦します!
こちら



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